「里沙子、うらやましいー!」
「いーなー、沢田くんに選ばれるなんてー。」
そんな風に、矢崎さんのクラスメイトの子はニヤニヤと彼女をからかう。
「まだ決まったわけじゃないでしょ?違ったら恥ずかしいじゃんっ。」
そう笑いながらみんなに答える。
沢田くんとの距離もあと少し。
--パシッ!
しかし一瞬、全員の時間が止まった。
それは、つかんだ相手が矢崎さんではなかったから。
「え…!?」
彼女の前をためらうことなく通り過ぎ、沢田くんが選んだのは……、私だった。
ぐいっと引っ張られると、彼に連れられるがままゴールに向かって飛び出した。
--1着…、2組!!!
そこにいた全員が声を失い、混乱していた。
だんだんと辺りがざわつき始めると、委員の男の子がマイクをもちながら沢田くんに近づいた。
