みんなが席に着いたところで、先生は話を始めようとした。
その時、ガラッと後ろから誰かが入ってきた。
「おい、沢田。お前初日から遅刻か?」
すると先生はその人を「沢田」と呼んで、慣れたように近づいた。
「俺、朝弱いの知ってるでしょ?」
そんなことを言いながら、先生と会話をする彼。
同時にざわつき始める周りの女子たち。
「やっぱかっこいいよねー。」
後ろでも、隣でも、同じような声が飛び交う。
そう。
彼は校内一をほこるイケメン、沢田 晴人。
顔良し。
運動神経良し。
頭良し。
と、三拍子揃った絵に描いたような人。
黒髪で長身。
外見は非の打ち所がない。
ただ最大の難点は、超がつくほどの女たらし。
特定の女の子は作らず、毎回違う女の子を連れているような、来る物は拒まずというタイプ。
まさか同じクラスだったなんて。
