◼︎里沙子 side
目の前から、ハルがクスクスと笑いながら歩いてくる。
「あ、里沙子。」
やっと私に気づいたみたいで、目の前で立ち止まった。
「どこいくの?」
「体育祭?」
私は一瞬言葉を失った。
「へえ、参加するの。めずらしい。」
ぎこちなくも、あくまで冷静さを保った。
いつものことながら、体育祭なんて行事ごとには参加しないと思っていた。
今もそのつもりでここまで来たんだから。
高校に入ってから、サボり場所は決まってこの庭園だったから、今日もここにいるだろうと思って探しに来たけど…
すでに先客がいたみたい。
「なんか面白そうだから。」
そう言うハルの表情が、いつもより柔らかいことに気づいた。
