「そんなに出て欲しいなら、俺にご褒美ちょーだいよ。」
そんな甘い声が、引き寄せられた私の耳元でささやかれる。
私はさらにカーッと熱くなり、とっさに彼を突き放した。
「な、なにすんのっ!」
「いや、そんな真っ赤な顔で言われてもねー」
そう言いながら、体をしっかり起こしてニヤニヤと私を見る。
「別に俺は、体育祭なんてどーだっていいんだよね。でもあんたがそこまで言うなら、俺のプラスになること教えてよ。」
この人、なに言ってるんだろう。
正直、まともに彼の目を見れないというのに、訳のわからないことまで言わないでほしい。
「プラスって、そんなの私知らない…。」
遠くからは、実況の声と歓声が聞こえてくる。
「じゃあ、俺とデートしようよ。」
そんな遠くから聞こえる声に紛れて、沢田くんは耳を疑うような言葉を言った。
