「出る種目も決まってるのに出ないなんて。クラスに迷惑かけるとか思わないんですか。」
言ったあと、すごくお節介な自分に気付いた。
「あ、あの、ごめんなさ……」
「へえ、俺を説得しようとしてんの?」
腕で目を隠しているけど、そう言った口元がニヤリと笑ったような気がした。
そして、その直後。
--グイッ
腕を掴まれ、引き寄せられた。
突然のことにバランスを崩して、思わず寝そべる彼に覆いかぶさるような形になってしまった。
あまりの至近距離に、顔が一瞬で熱を持つ。
私はすぐに離れようとベンチに手をつくものの、もう一方の掴まれた腕をまた引かれ、立ち上がることは許されなかった。
そして、さっきよりも近くなった顔は、触れ合ってしまうんじゃないかと思う距離。
