「てか、先行くなよなっ」
三浦は自分の席へ向かう途中、すれ違いざまにコツンとおでこを突いてきた。
そんな光景を見て、沙耶はニヤニヤしながら…
「ほんと、分かりやすいやつ。」
そうボソッと呟いていた。
「ん?なんか言った?」
三浦に気を取られて全然聞いていなかった。
沙耶には「なんでもない」と誤魔化されちゃったけど、なんて言ってたんだろう。
始業式が終わり、みんなはだらだらと教室へ戻り始める。
私と沙耶はその途中トイレに寄って、帰ってきた時にはもう担任の先生が教壇に立っていた。
「じゃあ全員座れー。」
2組の担任は、25歳くらいの若い男の先生。
去年赴任してきた人で、親しみやすいと女子から人気がある。
