「んー、見なかった…かな…。」
「そっかあ。やっぱりこういうこと好きじゃないのかな。」
「まあ、ああいうやつは行事なんてだるいってタイプじゃんっ。」
そう沙耶は言うものの、少し寂しい気もする。
それに出場する種目だって決まってるのに。
そんなことを思いながら、私は目の前で行われている競技の様子を眺めていた。
沙耶はこの次に行われる種目の仕事があって、すぐにいなくなってしまったし、私の出番もまだまだ。
退屈になった私は、席に座りながら何の気なしに後ろを振り返った。
すると、校舎の脇を歩く人影が目に入った。
少し距離もあって、一瞬ではあった。
だけど、たしかにあの横顔。
「沢田くん…」
