その時、ガラッと勢いよく前のドアが開くと、入ってきた人は私の前で立ち止まった。
「見つけたっ!」
その声は、女の子。
私は顔を上げてみると、そこにはにっこりと笑う矢崎さんが立っていた。
「え…」
私は驚きすぎて、思わずパチクリと瞬きした。
立つ場所を間違えてるんじゃないか。
沢田くんの席と勘違いしてるんじゃないか。
そんなありえない想像をしながら、目の前に立つ彼女を見た。
「この前急にいなくなっちゃうからー。」
唐突にそう言う矢崎さん。
やっぱり私に話しかけてる。
「里沙子、なにしにきたの。」
そんな沢田くんの声には目もくれない。
あんなにざわついていた教室は一気に静まり、みんなここの会話に耳を澄ましている。
