「なんで敬語?」
「あ、いや、その……」
そんな問いかけにもうまく答えられなくて、もう頭の中は真っ白だった。
「でも、来てみてよかった。あなたがみんなに連れてこられてるの見えたから、なんかやばそうって思って。」
矢崎さんは私の隣で、トンッと壁にもたれながらそう言った。
でも今、同時にいろんなことが起きすぎてパニックになってる私の耳に、そんな話が入ってくるはずもなく…
「あの、ごめんなさいっ」
意味もなく謝って、私は逃げるようにその場を走り去った。
「はぁ、はぁ、、」
下駄箱まで走ると、自分がおかしなことをしてしまったと気づいた。
謝った上に、お礼も言わずに逃げてきた。
でも、なんで矢崎さんは助けにきてくれたんだろうか。
沢田くんのことで、他の女の子たちと同じ気持ちなのかと思っていたから、すごく意外。
まさか助けてくれるなんて。
「なんで…?」
