その名前に、私は驚愕した。
「矢崎さん…。」
まさか、たまたまここを通る人が、彼女だなんてそんな偶然があるだろうか。
「あ、あの噂、聞いたでしょ?」
そう言ったのは、一番端に立っていた女の子。
すると真ん中にいた子が、一歩前に歩み出た。
「私たちは、みんなの代わりに聞いてあげてんのよ。沢田くんにつく悪い虫は、矢崎さんだって追い払いたいでしょ。」
そんな言葉を聞いて、矢崎さんは呆れたように大きく息をはいた。
そして表情を一変させると、ニコッと笑いながら言った。
「悪い虫って、あなたたちのこと?」
私も、私を呼び出した彼女たちも、予想外のことに言葉を失った。
