あれから夏休みに入り、8月。
「あっちー。てか補講とかだりい。」
「三浦、暑い暑い言わないでー!余計暑くなるよー。」
三浦とは、なんだかんだで上手くやってこれていて、不思議なことにいつも通りの関係に戻っていた。
そして今、私たちは数学の補講中。
どうして夏休みに入ってまで、学校なんてきているのか…
自分の数学の出来なさを呪っているところだ。
「そういや、彼氏と上手くいってないんだって?」
「え?なんでそれ。」
「ちょっと小耳に挟んだ。」
きっと沙耶だ……
一瞬でそう思った。
たしかに、上手くいってないのは本当。
矢崎さんや沙耶に言われて、一度は別れることを考えたものの、なかなか話が切り出せずにいた。
沙耶には、ヘタレと怒られたけど、そんな簡単な問題じゃないんだもん…