騒動から半月。

7月に入り、気温も上がり始め、夏が近づいてきた。

私への嫌がらせも、矢崎さんのおかしな噂もなくなり、平和な日常を過ごしている。


そんな中、変化があった。

「ねえ、ひなたちゃん。そろそろ矢崎さん呼び直さない?」

「そうだよ。里沙子って呼んじゃえ、里沙子って。」

目の前でお弁当を広げながら、矢崎さんと沙耶は私をじっと見つめる。

「なんか、今更恥ずかしくて。」

外のテーブルで、毎日お昼を食べている私たち。


矢崎さんがとめてくれたおかげで、私への嫌がらせがなくなったと、後から沙耶に聞いた。

でも、そのせいで、いつも一緒だったお友達とは不仲になってしまったということも。

それからお昼になると誘うようになって、今ではもう仲良し。