始業のチャイムが鳴り教室に戻ると、藍川が席についているのが見えた。
真っ赤に腫れた目は、ちゃんとおさまったようで、いつも通りの藍川だった。
「あ、三浦!おはよ。」
ドアを開けた瞬間、そう言ってニコッと笑いかけられ、本当に何もなかったのだと悟った。
「おお。おはよ。」
そう言って通り過ぎようとした瞬間、パッと腕を掴まれた。
「ねえね、今日は何もなかったよ。いじめって続くんじゃないの??」
そして、不思議そうに言う。
まあそこまで鈍いわけないよな。
でも、矢崎に言うなと言われたことを言う訳にもいかず…
「ないならよかったじゃん。諦めたんだよ、根性無しが。」
そう笑って誤魔化した。
こんな回答で納得いくはずもなく、藍川は腕をゆっくりと離しながら、そうかな、とつぶやいた。
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