藍川はまだ登校してきてないから確かめようがないけど…
「あいつらに、言ったの?」
そう聞くと、小さく頷いた。
「たまたま、ね。今朝見ちゃったから、下駄箱でなんかしてるの。」
そう言いながら、遠くを見る矢崎の横顔。
一瞬、切なそうに見えた。
きっと、たまたまなんて嘘だった。
わざわざ下駄箱まで見に行って、その現場に出くわしたんだ。
「悪い…、嫌な役回り。」
すると、突然俺の方にクルッと向き直った。
「でも、ひなたちゃんには内緒ね。私がやめさせたことも、三浦くんが気づいたことも。」
「なんで?」
「だって、こんなことで借り…作りたくないでしょ。」
そうして苦笑いを浮かべた。
いつの間にか、話があったのは俺のはずなのに、完全に矢崎のペースになっていた。
最初に謝ったことが謝ったうちに入ったのかと疑うくらい…
