翌朝、すぐに隣のクラスへ行くと、教室でボーと外を眺める矢崎を見つけた。
近くにいた女子に呼んできてもらうと、俺に気づいてゆっくりと近づいてくる。
「呼んだ…?」
「うん、ちょっといい?」
少し早めに来たせいか、まだ人は少ない。
三階にある教室から渡り廊下へ出ると、少し歩いたところで立ち止まった。
「あのさ、昨日言ったことなんだけど。ちょっと無神経だったっつうか、気持ちも考えずに…ごめん。」
すると、矢崎はなにも言わずに手すりに近づくと、両腕をのせて寄りかかった。
そして、クスッと笑い、小さく息を吐いた。
「言われた仕事はちゃんとやったよ。もう嫌がらせはないと思う。」
そう言って、横目で俺を見ながら微笑んだ。
まさかの返答に驚いて、なにも言葉が出なかった。
