「三浦って、結構鬼だね。」
廊下に出て矢崎の遠くなる後ろ姿を見ていたら、突然背後から聞こえてきた声。
「うおっ、ビックリした…。いつからいたんだよ。」
振り返ると、西原が立っていた。
気配を消していたのか、全く気づかなかった。
バッシュの入った袋を手にぶら下げたまま、怖い顔を向けている。
「外からたまたま二人が歩いてるの見えて、珍しい組み合わせだと思ってついてきたら…。」
そして、大きくため息をついた。
「なんだよ。」
すると、ムッとした顔で俺を睨んだ。
「三浦さ、ひなたのことで頭がいっぱいなのはわかるけど、もうちょっと里沙子の気持ち考えてあげなさいよ。」
今、俺は何のことで怒られているのか、見当もつかなかった。
「別に、俺はただ…」
藍川のことで頭がいっぱいだと言われると、間違ってはいない気がするけど。
でも、矢崎の気持ちって…
