矢崎を見かけると、いつも二人の女子が一緒にいた。
里沙子里沙子、って言いながら、体育祭の時も隣をキープしてたっけ。
いかにも、あの矢崎 里沙子の友達ですっていう、ブランドを持ってる気分のあの感じ。
俺は苦手。
自分がただ一軍でいたい、っていう自己満足が入ってるようにも感じる。
そうやって、矢崎の後ろをくっついている、言い方は悪いけど金魚の糞みたいな二人。
「今朝、騒動のあった時、見たんだよ。こっちの下駄箱で。矢崎たちが使ってるとことは結構離れてるし、こっち通ったら逆に遠回り。むしろ今まで見かけたことなかったのに、今日に限って…。それに、目があった瞬間逃げられたし、確かな証拠はないから断言はできないけど、俺の予想は…」
ダラダラと一方的に話し続けていたら、目を泳がせる矢崎と一瞬目があった。
すると、居た堪れない様子で、何も言わずに教室を出ていってしまった。
