「そんなの、お前に言ったって意味ないっしょ。」
藍川も西原も、そんな噂信じていなかった。
きっとあいつらは、本能的にそう感じたんだろうけど…
俺にはちゃんとそう思う根拠があった。
「知ってる?藍川の下駄箱に入ってた紙の山。まあ、ひどいこと書いてあったけど、その中で見つけたんだ。
『ハルに近づくな。』って書いてある紙。」
落ちた紙を拾い集めていた時、一枚だけハルと書いてあるのを見つけた。
その瞬間、浮かんだのは矢崎の顔。
でも、それが返って不自然だった。
誰かが矢崎の仕業だというように、仕向けているようにしか思えなかった。
それに、どんなに馬鹿でも、わざわざ自分が疑われるような分かりやすい証拠、残さないだろう。
だから、真っ先に思った。
絶対矢崎じゃない。
