………………………………………………………
私は現在、酒を用意して芹沢局長のもとへ向かっている。
...が、正直何を言われるのか気が気でない。
もしここから出ていけと言われたら......
考えたらきりがない。
ついに芹沢局長の部屋に着いてしまった。
私は深呼吸して「よし。」と小声で言うと、障子の前で正座する。
「芹沢局長、御堂です。」
「入れ。」
「失礼致します。」
ススーっと障子を開けると
「待っておったぞ。」
にやりと口角を上げた芹沢局長が肘掛けに肘をついて座っていた。
「そこへ座れ。」
「はい。」
芹沢局長の真正面に座る形となった。
「お酒を用意して来ました。」
持ってきた酒を芹沢局長に差し出す。
「うむ。貴様も呑め。」
「えっ」
「なんだ呑めんのか。」
私は酒を嗜むほうではないが、そんなムッとした顔で聞かれては飲まない訳にはいかない。
「いえ。頂戴致します。」
芹沢局長の猪口に酒を注ぐと、彼も私の猪口へと酒を注ぐ。
