すると視線をこちらに向けた芹沢局長は、私をじっと観察する。
「…ふん。
土方よりは礼儀がなっているようだな。
……気が変わった。
貴様、酒を用意して俺の部屋にもってこい。」
一人で、な。
と付け足すとくるりと踵を返し向こうへ行ってしまった。
「「ハァ〜〜〜……。」」
まるで嵐が過ぎ去ったかのような、安堵のため息が重なった。
「しっかしお前度胸あるなぁ。普通の女なら震え上がってるぜ。」
「そ、そうでしょうか…。」
確かに局長としての貫禄があったというか、迫力がすごかった。
さすがに土方副長と芹沢局長が対話しているときはヒヤヒヤしたが、私には意外と普通だったような...?
「とにかく、これからお酒を用意して芹沢局長のもとへ行ってまいります。」
「ああ、気をつけろよ。何かあったらすぐに呼べ。
後で内容を報告しろ。」
「はい。」
そう言って私たちは別れた。
