「……貴様、名を名乗れ。」




低くドスのきいた声に若干怯みながらも答える。





「先日からこの壬生浪士組の隊医兼土方副長の小姓として置かせていただいている

御堂優月と申します。」






「…なに…?!隊医だと…?!

そんな話はきいていないぞ…!」





さらにギロリとこちらを睨む。




聞いていないと言われても……



どうしよう……。





困惑していると、





「そいつは近藤局長が入隊を許可した。
芹沢さん、あんたにどうこう言われる筋合いはねぇよ。

第一、毎日島原通いのあんたにいつ話ができるってんだ。」



「土方副長…!」




真後ろから土方副長が現れ、肩に手を置かれると


下がってろ、


と小声で言われた。







私は言われたとおりに少し後ろへ下がると、二人の様子を伺う。




二人の間には未だにピリピリとした空気が流れていた。