…え。どうして私の隣に…?


しかもなんかすごく見られてる気がする……。







「おまたせいたしましたー!
桜団子3つと、ぜんざい1つ!

こちらがみたらし団子2つになりますぅ!」






店の人がちょうど頼んだ物を持ってきてくれたけど、食べにくいなぁ……。





沖田組長は桜団子に視線が釘付けで、食べたそうな様子だし……。




1本差し上げようか…。





「え…っと……召し上がりますか?」





3本が乗ったお皿を沖田組長に差し出す。





「え?いいの?ありがとー。」




と、さも当然の様にお皿ごと持って行かれ、3本同時に手に持つと、あぐあぐと食べ始めた。







…………………んん?????????????







私は先程までお皿が乗っていた手を見つめ、思考停止状態になる。






「あーー!そーじ!優月がかわいそうだろ!!」




「えーー?

だって、お皿ごと出して来たから、全部食べても良いのかなって思って。」






ごちそうさま、と猫の様に目を細めて微笑んだ彼は、悪気など全然なさそうで…。




串だけ残されて帰ってきたお皿にはもちろん桜団子などあるはずもなく。






「桜団子…食べたかったのに……。」





涙目になりながら、残ったぜんざいを手に取り、くるくるとかき混ぜポツリと呟く。





藤堂先生が「あ〜あ。」と言いながら じとりと沖田組長を見る。