突然隣から聞き覚えのある声が聞こえてきた。






「沖田組長!?」「総司!?」





驚いた私と藤堂さんの声が見事重なった。




当の本人は相変わらずにこにこしている。






「なんでここに?お前今日は見回り当番だろ!」




「うん。見回り終わって甘味屋寄ろうとしたら平助と御堂くんがいたからさ。


二人して俺の話してるみたいだし?」






スッと沖田さんの視線が私の方に向いた。




口元は笑っているが目が笑ってない。






『やっぱり私、この方に嫌われているのだろうか…。』






苦笑いしつつ立ち上がり、無難な返答をする。






「沖田組長、見回りお疲れ様です…。


藤堂さんから甘い物がお好きだとお聞きしました…。」





「そ、総司!

こいつも甘い物好きらしくて、お前と好みが似てるなって言ってただけだから!」



そんな怖い目で見るなよ〜!




と私を庇ってくださっている藤堂先生が仏に見える。









すると沖田組長は




「へぇ…そう。



別に怖くないでしょ?」
 



とにっこりと微笑んで



よいしょと言いながら私の隣に腰掛けた。