「そうだったのか...。だから女の割に強えんだな!
にしても……フッ…ハハハッ…!
女が男を投げ飛ばすなんて聞いたことねぇよ!」
情けねえなぁ〜
とさっきの男たちを馬鹿にしながら思い出し笑いをする藤堂先生。
なんだか私も笑いものにされているようで、
「女らしくなくてすみませんね…。」
と小声でつぶやき、少しすねてみる。
「あ〜ちげえよ。
お前が強いってことだ。」
くしゃくしゃと私の頭を撫でる彼の顔はとても笑顔だ。
子供扱いして……私はもう18になるのに。
少し照れるが、されるがままにしている。
でもーーーー。
「自分の身は自分で守ります。
このご時世、なにがあるかわかりませんから…。」
私は懐に忍ばせている短刀にそっと手を重ねる。
たとえ、相手を傷つけることになっても。
私にはたった一人の家族……守るべきものがある。
だから、死ぬわけにはいかないーーーーー。
