ふっと笑い、
「無事で良かったです。
もう絡まれるんじゃありませんよ。」
と男の子を見送った。
一部始終を見ていた藤堂先生が近寄ってきて
「あの男達、お前がやったのか?!」
と驚いた様子で聞かれる。
「はい。
軽く懲らしめようとしたのですが…やりすぎてしまいましたか?」
「いや、そんなことねえけど…。
こんなに強えとは思わなかった…!」
とりあえず行こーぜ、と催促され私達は歩き出した。
甘味屋に行く道中、二人で歩きながら話をしていた。
「何で柔術なんてやり始めたんだ?」
「もともとは心配性の父が自分の身は自分で守れるようにと道場に通わせてくれたんです。
最初は女子が道場通いなんて恥ずかしく思っていたのですが、やってみたら楽しくて…強くなりたくて兄弟子達にもよく挑んでいました。」
