「この野郎!!」
残りの二人も向かって来たので、男の腕を掴み足払いをして投げ飛ばすと、もう一人の男も下敷きとなった。
「ふぅ…。」
「おーい!優月………っ…!?」
藤堂先生が来る頃にはもう3人は完全に伸びていた。
私は子供のそばに寄ると
「大丈夫でしたか?」
と声をかけ、そっと頭をなでようとした。
だが、その男の子は
「うええぇぇぇん……怖いぃ……!!」
と泣きながら私の手を弾いた。
「おいっ…!助けてやったのに……!」
藤堂先生が何か言う前に、男の子の顔をぐいっと上げて目線を合わせながらこう言った。
「助けてもらったのだからちゃんとお礼は言いなさい。
人として当たり前のことですよ。」
ややきつめの声色で言うと
「っ……ありがとう…ございました…っ!」
私の迫力に押されたのか男の子は素直にお礼を言った。
