「あ…!待ってください!」
どんどん先に行ってしまう藤堂先生を追いかけていると、不意に路地に目が行った。
そこには十になるかならないかぐらいの男の子が3人の男に囲まれていた。
その異常な光景に目が離せず、ついに一人の男が男の子の胸ぐらを掴んだとき、私は走り出していた。
「その子を放しなさい!」
男たちのそばまで行くと彼らを睨みつける。
「はああ?あんた誰だよ?」
「通りすがりの者です。
年端もいかない子に何をするのですか!」
「関係ねぇだろ!ひっこんでろ!」
と言うやいなや私をめがけて拳が飛んできた。
私はそれをかわし、反動でよろめいた男の足を思い切り蹴飛ばすと、男はそのままうつ伏せで地面へ倒れた。
