「いや、本当に助かった。
今は救護の人手が足りておらんからなぁ。」
近藤さんが困ったように頭をかく。
「そうなんですか…。
それはお役に立てて良かったです。」
しばらく沈黙が続く。
だがそれを最初に破ったのは近藤局長の方だった。
「それで、だな…」
「はい…」
「何か礼をしたいんだが……思いつかなくてな。
何かほしいものはないかい?」
困ったような笑みを浮かべ私に聞く。
うーん…ほしいもの…はないなぁ…。
しいて言うなら仕事が………………
そうよ!!仕事!!
葉月のところにお金送らなきゃいけないし、自分の生活費も……!
もういざとなったら下働きでもなんでもいい。