「な、何やってんの。」


そう、一言言うと、女は一瞬ビクッと体を震わせた。


そして、後ろを向くと、上に向いていた肩が安心したように下がった。


「なんだぁー、アンタだったの。

アタシ、泥棒かと思っちゃったわ。」


いや、泥棒はアンタだよ。


女は、手には三千円を握りしめていた。


片手には、ぐちゃぐちゃにされた茶封筒があったのだ。