もののふ。




外にはまだ攘夷志士共の声が聞こえる。



ここにいては…やられてしまう。


僕は…生きる…生きたい…



“諦めなければ死なねえ。諦めたとき。人は死ぬ。生きたければ諦めんな。”


名前もわからない男がそう言ったんだ。


今は思い出せないだけど。なぜかひどく懐かしく、安心したんだ。


「これから…どうすればいいんだ…」


父上も母上もシゲもいない世界で僕はどうして生きていけよう…。


僕は彼らのいない世界を知らないのだから…。


とにかく生きるためにここから抜け出さなければ。