僕のお腹からは止め処なく、赤い液体が流れ出していた。


「ちいと…浅かったかぁ?口ほどにもねえガキが!」


そのとき。僕の頭の中に走馬灯のように記憶が流れ出していた。


「はるか。お前は今日から私の息子だ。男になれ。強くあれ。女であることを捨てるのだ。」

ち、ちうえ?と、ぼ、く?


「はるか様。重正にございます。」

シゲ…。

「はるか。貴方は美しいわ。とっても。強く生きるのよ…。」

母上…。

「はるか…このまま諦めんのか?お前はこんなとこで終わっちまうやつなのか?諦めんな。諦めなければ死なねえ。諦めたとき。人は死ぬ。行きたければ諦めんな。いいな?」


だれ?わからない…でも…。

ババッ


気付いたときには…もう…

目の前にいるはずだった男は倒れていた。


何者かによって斬り倒されていた。


僕の手には血に濡れた刀身が握られていた。


「こ、れは…?ぼ、くが?」