「おねがいします。はるか様!お逃げくださいまし!大将様が倒れた今!貴方しか私共にはいないのです!」
「僕には…シゲたちを残して逃げるなんてできない…」
「この重正!大将様に誠心誠意お仕えして参りました。この重正にとってははるか様。あなたは我が子同然なのです。誠に…」
その言葉を聞く前に重正は…ーーー
「ふっ。みつけたぜぇ…神崎の息子。」
「お前は…っ!よくも!父上とシゲを…!我が家臣の恨み!ここで晴らさずいようでか!」
僕は腰のモノに手をかざした。
「しょうがねえだろー?日の本の国を変えるにはお前の親父。神崎雪緒が邪魔だったんだよ。幕府に手を貸しやがって。俺らを売りやがって…許さねえ。その子であるお前も同罪だ!」
攘夷の連中か。
確かに父は幕府のためにこいつらのところに密偵を送っていた。
だが、それはあいつらだって幕府に密偵を送っていたはずだ。
「ならば…こちらとて好都合です。」
チャリ…
「上等だぁ…!」
カンッチャリーン…
スバッ
「クッ…!」
