「なんであなたが結衣と一緒に?なぜなの!?」

結衣は興奮する母親の体を押さえ叫ぶ。

「やめて!!お母さん!!ユキは私を助けてくれたの!!」

「何言ってるの!?この人の父親があなたの目を奪ったのよ!!ピアノだって弾けなくなったのよ!?」

「お母さん!!あれは事故だったの!それに、ユキは関係ない。ユキは私に音楽や優しさやたくさんのものをくれたの!目が見えなくたって、私にはちゃんとユキの優しさが見えてるの!!」

バンっと床に手をつく音がした。

「ユキ・・?」

「申し訳ありません!!僕は、結衣に近づいてはいけないとわかっていながら、近づいた。目を失ってしまった彼女にせめて、僕のつたない音楽でも償いをしたかった。でも・・・見えない目で一生懸命僕の音楽を聴いてくれる彼女にいつしか恋をしました。でも、ご両親が許してくれるまではもう、会いません・・」

ユキ・・・。

ドアを開ける音。

ユキ・・・ユキが行ってしまう・・!!

「結衣、僕は君にいつか純白の雪をプレゼントするよ」

パタン・・・。

それから、3年・・・ユキは私の前から姿を消した。