「痛ってぇ・・・」

痛そうに声をもらすユキ。

「ユキ、助けてくれてありがとう。ケガの手当てするから家に寄ってって」

「家・・・親もいるのか?」

「うん、嫌ならいいけど・・・」

少し間をおいてユキが意を決したように答える。

「いや、寄らせてもらうよ」


「ただいま」

玄関に入ると結衣の母親が心配そうに出てくる。

「結衣!遅かったじゃない、心配したの・・・よ」

母親は目の前にいる男に目が釘付けになる。

「あなた・・・吉村 大地くんね?」

え?

吉村・・・。

まさか・・・!!