「雪が降ってる・・・」

結衣はいつもの公園のベンチに座り、手を空へかざす。

冷たい雪が手や頬に舞い降り、すぐに泡となって消えていく。

立ち上がり、耳を澄ます。

「雪の音が聴こえる・・・」

ユキ・・・今日は遅いな。

あなたに会いたい。

いつの間にか、私、あなたのこと・・・。

ポロロン・・・。

ギターの音色が雪の中に響き渡った。

「ユキ・・?」

ふいにギターの音色が途絶える。

その瞬間、抱きしめられる感覚。

「ユキ?どうしたの?」

ユキは何も答えない。

手を引かれ公園の外へ連れ出される結衣。

「ユキ?痛いよ、離して」

ユキ・・・何もしゃべらない。

一体どうしたの!?