「おかえり~、水無瀬のお姫様」 「な、何言ってるの!!?百合!?」 「本当の事でしょーが。お姫様抱っこされて。ってか、すっごいうるさかったんだから。鼓膜破れるかと思ったわ」 片耳を押さえ、今やっている男子の棒倒しを見ながら百合がうんざりしながらそう言う。 そして、私の格好を見るなり、はぁ……と盛大なため息をついた。 「ど、どうかした?」 「華湖。あんた、愛されてるわね」 百合は、それだけ言うとまた、競技の方に目を向けた。