ずっと無言で、自分の心臓のドキドキの音しか聞こえなかったのに、急に水無瀬くんが、 「お前さ、すげー足腫れてたし、足も血が出てるし。なのに、なんで諦めなかった?」 私の膝の消毒をしながら、そんな事を聞いてくる水無瀬くん。 出来る限り痛くないように消毒液をつけてくれる。やっぱり、優しいや、水無瀬くん。 「えっと……、私が負けたらみんなに、迷惑かけちゃうから」 「…お前が、怪我してたら元も子もないだろ」