一人、頭の中で葛藤していると、玄関から扉が、開く音がした。 鍵は、ちゃんと閉めてたから、水無瀬くんに違いない。 その予想は、もちろん正しく、無表情の水無瀬くんが、こちらに来た。 「おかえり、なさい?」 なんて言えば良いか分からず、疑問系になってしまった。 そんな私を水無瀬くんは、鋭い目付きで睨んだ後、カバンの中から、緑のストライプ柄の包みに入ったお弁当箱を私に差し出した。