「水無瀬、くん……」 久しぶりに水無瀬くん本人の前で水無瀬くんって呼んだ。 すると水無瀬くんは、私達に近付いてきて、 「コイツ、連れて帰るんで」 と、黒髪の男の人にそれだけ言うと、私の手を無理矢理引っ張りながら連れだしカラオケボックスを後にした。 「水無瀬くん……!水無瀬くん……!」 カラオケボックスを出てからも足を止めない水無瀬くんに着いていくのが精一杯な私。 「……何してんだよ!」 突然人通りの少ない道で止まったかと思えばいきなり余裕のない声で怒ってくる。