私は、急いで水無瀬くんの手を外そうとするけど、ぎゅうと力強く抱きしめられ身動きがとれない。



うぅ、どうしたらいいの!?
これじゃあ、ドキドキし過ぎて眠れないよ!!



そんな事を考えていると、



「……離れる、なよ……」



水無瀬くんが、そう一言呟いた。



一瞬、起きたかな?って思ったけど、また寝息が聞こえたからどうやら寝言みたい。



だけどその寝言は、抱きしめられている手と違ってすっごく弱々しく切なかった。



だから、その後水無瀬くんの手を外そうと思わなかった。