案内されたのは 小さな部屋だった 「あのー、先生 瑠夏は……」 と、瑠夏のお母さんが先に 口を開いた 「記憶障害だと思われます」 「記憶障害……」 「はい。瑠夏ちゃんの場合 一部分の記憶、最近の記憶が なくなっていると思われます」 その中に俺が 入ったということか。 「そうですか…… 記憶は、そのうち思い出すの でしょうか」 「それは、わかりません。 本人次第かと思われます。でも、 思い出す確率は低いかと……」