ただ愛されたいだけ。

「無理、すんなよ。俺は味方だから。
俺、高木のサービスが好きなんだよ。
自分を犠牲にするところは、あんまりよろしくないけど。でも、無意識にそれをやってしまう高木は好き。本当のサービスを心で理解してるんだよ。」

高木のサービスは、優雅で丁寧。
それに、言葉がさらさらと流れるように出てくる。
料理の説明も、他の人より丁寧に美しく表現されていてわかりやすい。なにより、止まることなく流暢に話す。
言葉だけでなく、顔も変える。

すべての人に同じことはしない。
相手に合わせて言葉を変える、顔を変える、話すスピードや声のトーンまで変える。

〈高卒の仕事ができない奴。〉
他のサービスの奴らが下した高木の評価。

でも、違う。
誰よりも丁寧なサービスをしている。

あとは、スピードがつけばいい。
先輩に煽られても笑顔で返す余裕と度胸がつけば完璧かもしれない。