sweet houseは学校からそんなに遠くないところにある。男三人組で行く場所ではないのはもうわかっていること。周りは女の子ばかりで正直目のやり場に困る。
「こんな店あるんだ!」目を輝かせながら鷹野は周りを見回す。
「頼むから落ち着いて、ここは本来男が来るところじゃないんだよ」
「いいじゃないか、なんだかんだで俺たち常連さんだよ?」
「そういう話じゃないよ、こんな場所ではしゃいぐと周りからの目線が痛いから…」
恥ずかしくて顔も上げれやしない。というか、周りの女子は騒いでるから注目してるわけではないみたいだ。
「…あの人かっこよくない?」
「…名前聞いてみようかな」
嫌な予感がする。
「二人はかっこいいのにあの人は引き立て役?」
「逆に目立ってかわいそう」
やっぱり
敦士はもちろん鷹野は誰が見てもかっこいい。それは俺でも知っていることだ。でも、それで俺に同情したり、悪口を言うのはやめて欲しいものだ。こういう面では敦士と俺は釣り合わない。
「どうしたのなんか機嫌悪い?」
「なんでもないよ、どうやっても解決できないことだから。」
俺も上の下ぐらいの顔だったらなもう少しモテたのかな。親を恨んでもしょうがないか。
「幸汰の奢りだし贅沢なの食べよ〜」
「ほどほどにしてね…」
「どれも美味しそう」
「どうしたの?好きなの選んでいいんだよ?」
「あんまりこういうの食べたことないんだよね」
「すごい意外!シティボーイって感じがしてるのにどこ住んでたの?」
「前はすごい田舎でこんなお店なかったんだ」
「何をしに引っ越してきたの?」
「やることがあってね」
「やること?」
「いや、なんでもないよ。何頼もっかなぁ!」
鷹野は何をしに来たのだろう。気になるけどなにか訳がありそうだし、深入りはしない方がいいかもしれない。
「ご注文は何にいたしますか?」
ウェイトレスさんがタイミングよく注文に来た。
「俺はスペシャルチョコバナナパフェ!」
「うわっ、一番高いの頼んだな…。じゃあ、普通のストロベリーパフェで」
「どれも食べたいけどキャラメルパフェで!」
「以上でよろしいですか?」
「「「はい」」」
ウェイトレスさんは注文を承ると笑顔を見せて戻っていった。どこかで見覚えのある顔だった。
「最後ハモったね」敦士は嬉しそうに言ってきた。
「ウェイトレスさん可愛かったなぁ」鷹野はウェイトレスさんをずっと目でおっている。
「あの人、どこかで見なかった?」
「学校で見た気がするよ?」敦士が言った。
「ってことは、青原の生徒?」
「そうみたいだね。後で何年生か聞いてみようかな」
この二人ならどんな女の人に訪ねても優しく返事をしてくれるだろうな。