2年前、そんなこともあったっけ。

麻衣子は白のマフラーに顔をうずめながら、こぼれだしそうになる涙をこらえる。

白のマフラー。

これは2年前に学生だった拓哉が『こんなものしか贈れないけど』ってクリスマスにプレゼントしてくれたもの。

わがままな私の言葉を聞いてくれた拓哉。

ほんとは、赤にしたかったくせに・・・。

ごめんね、ほんとは私、嫉妬してたんだ。

拓哉が私の前につきあってた女性は赤がすごく似合ってたから・・・。

トゥルルルル・・・・。

あ、携帯が鳴ってる。

・・・誰だろ、知らない番号。

「もしもし?」

「・・・麻衣子か?」

この声、・・・・拓哉!!

「拓哉、どうしたの?ずっと連絡くれなかったのに」

「そうだね・・・1年ぶりかな・・・?」

心臓が高鳴る。

1年ぶりに聞くその声。

「今から、会えるかな?」

拓哉・・・!!