怒って泣いて……自分が子供過ぎて本当に嫌になる。

涙を止めようと思えば思うほど涙は溢れ、頬を伝い零れ落ちていく。


「っ……私じゃ、ダメなの?」

「え?」

「私の血じゃ……ダメ、なの……?」


シエルは戸惑った顔をしたけど、それは直ぐに真剣な表情へと変わった。

私の頬に手を添え、真っ直ぐに目を覗き込んできた。怖いくらい真剣な眼差しに、思わず息を呑んだ。

私なんかの血じゃ役に立たないかもしれないけど、それでも少しでも渇きが癒えるなら喜んでシエルに血をあげたかった。


「ルカ……自分が何を言っているのか分かっているのか?」

「分かって__」

「分かってない!!」


シエルの怒声が部屋中に響き渡り、天井のシャンデリアが割れ部屋が暗くなった。明かりは窓から差し込む月明りだけになった。その月明りがシエルの金色の髪の毛に当たり、こんな状況にも関わらずキラキラしていてとても綺麗だと思った。


「人間は俺たちヴァンパイアを見ただけで怯え、震え、声も出ない程の恐怖にかられる。 人間から見れば俺たちは化け物だ。 そんな化け物に血を吸われるなど、恐怖しかないだろう。」


厳しい顔をするシエルの瞳はとても辛そうだった。どんな時も私の事を思ってくれるシエル。今も私の為にこんな顔をしてくれているんだと思うと、胸がキュッとなった。