ベッドに腰かけて本を読んでいると静かにドアが開き、お風呂上りのルカが顔を覗かせた。ベッドの上に呼び、まだ濡れているルカの髪の毛をタオルで拭いた。

手を動かす度に濃くなる石鹸の香りに火照った体、華奢な背中……理性が吹っ飛びそうだった。

髪の毛を拭き終えるとルカが振り返り、キスをした。ほんの一瞬の触れるだけのキス。だがルカは暫く放心状態になり、そして顔を真っ赤にした。


「その顔、誘ってる?」


そう言うと慌てふためくルカ。いつも表情豊かだが、これ程までにコロコロ変わるのは初めてだ。


「嘘だよ。 本当にルカは可愛いな。」

「やっぱりからかってたの!? 酷い!!」

「ごめん、ごめん。」

「……初めて、だったのに。」


ルカの小さな呟きに耳を疑った。小さな背中を更に小さくさせ俯くルカを後ろから抱きしめた。可愛くてしょうがない。


「恋愛初心者って事だよ? 重たく、ないの?」と今にも泣きそうな声で言うルカに「そんな事を思う筈がないだろう。 ルカの全てを知る男は俺だけでいい。」と言って振り向かせると、瞳を潤ませたルカは俺の胸に飛び込んできた。

上目づかいで見つめられ、理性を抑えるのが大変だった。ゆっくり目を閉じたルカの唇に自分の唇を重ねた。愛しくて堪らない。