目をキラキラと輝かせるセリアル。子供みたいな目を向けられて思わず笑ってしまった。


「もしもルカが気配を消していたら、人間だとは気付かないかもしれないな。」

「どうして？」

「純血の姫たちに劣らない程綺麗だから。」


純血の姫を見た事はないけど、話で聞く限りみんな絶世の美女だ。私なんてそんな人たちの足元にも及ばない。


「そんなお世辞を言ったって何も出てこないんだから。　でも、ありがとう。」

「僕はお世辞なんて言わないよ！！」

「そうなんだ。」

「あ〜！　その言い方、信じてないでしょ！？」


拗ねてしまったのか、セリアルは頬をプクッと膨らませた。


「あははっ、可愛い！」

「今可愛いって言った！？　僕男だよ！？　可愛いなんて言われてもちっとも嬉しくなぁ〜い！！」


さっきよりも膨れっ面になったセリアルを見て、もっと笑ってしまった。

ヴァンパイアって長生きしているから、シエルやジョシュさんみたいに落ち着いた人ばかりだと思っていた。

ラキが私たちの前にお皿に並べたクッキーを置いてくれた。


「ラキの淹れてくれたお茶も美味しいけど、クッキーとジャムも美味しいんだよ！」

「そうなの？　それじゃあ早速頂こうかな。」