何で?苺が好きなんて言った事ないのに……。


「どうして好きだって分かったの?」

「見ていれば分かる。」


シエルも私の事を見ててくれてたんだ。嬉しくてつい頬が緩んでしまう。


「ルカ、口を開けて。」


言われるがまま口を開けると、シエルの手にあった苺が私の口の中へ転がった。噛むと口の中に苺の甘さが広がった。


「やっぱりウェルヴィアの苺は甘くて美味しいねっ!」

「ルカは食べさせてくれないのか?」

「え!? 私が!? は、恥ずかしいよ!!」

「いいから。」


目を瞑って口を開けて待っているシエル。綺麗な顔が子供みたいな顔になって可愛かった。

流石に手で食べさせるのは私には難易度が高いから、フォークに苺を刺してシエルの口に運んだ。

今日のシエルはこの苺に負けないくらい甘くて、お子様な私は気持ちが暴走してしまいそうだった。

シエルは口を閉じ、スッとフォークを引くと目を開けた。見つめられ、目を逸らす事が出来なかった。目を瞑っていると幼く見えるのに、今はとても妖艶で色気のある顔をしている。

澄んだ金色の瞳に吸い込まれてしまいそうだ。