「今日はいつもの可愛らしいワンピースじゃないんだね。」

「はい。 外に出かけるから動きやすい服装が良いかなって思って、久しぶりにズボンを履いてみました。」

「良く似合っているよ。」

「あ、ありがとうございます。」


ジョシュさんはいつも褒め方がスマートというかさりげないというか、大人だなと思う。


「ルカすまない。 だいぶ待たせてしまった。」


ジョシュさんと話をしていると後ろからシエルの声がして振り返った。馬に乗っているシエルもカッコイイと思ってしまった。もしも真っ白な馬だったら童話に出てくる白馬の王子様だ。


「ジョシュさんとお話してたから全然大丈夫だよ!!」


最近シエルは良く笑う様になった。顔を合わせる時間は少ないけど、そういう少しの変化が嬉しくて堪らなかった。


「二人で何処かにお出かけ?」

「あぁ、直ぐそこの湖までな。」


ジョシュさんと言葉を交わしているシエルの前に積んでいる荷物が気になった。


「何を持ってきたの?」

「着いてからのお楽しみだ。」


シエルはそう言って笑うと馬から降りた。そして私が馬に乗りやすい様にエスコートしてくれた。