思わず耳を疑った。


「今日は休みだと言っただろう。 たまには一緒に過ごそうかと思ったんだが、迷惑だったか?」


私は勢いよく首を横に振った。

迷惑な筈がない!!

以前よりもシエルが優しくて、一緒に居る時の雰囲気も柔らかくなった様な気がする。そう感じる度に胸が震える。


「シエルがそんな事言ってくれるとは思ってなかったから、ちょっとビックリして……何でもいいの?」

「出来る事ならな。」


以前からお願いしたかった事を思い切って聞いてみる事にした。


「お城の外に行ってみたい。」


考え込むシエル。

やっぱりダメなのかな……。


「分かった。 あまり遠くへは行けないが、それでもいいか?」

「うん! ありがとうシエル!!」


嬉しくて一人はしゃいでいると、シエルに笑われてしまった。こんなに柔らかい顔で笑うんだ……その笑顔を見て胸が今まで以上に高鳴った。

胸の奥がキュッとなったり、ドキッとなったりするのは恋なんだと、最近自覚した。自覚した途端胸が苦しくなった。泣きそうになった。